CAD/CAM冠ってなんですか?
A: Tさん(40代女性)
他院で治療中なのですが、質問させてください。
下の奥歯の虫歯でインレーになると言われました。
先生には保険の金属かセラミックの2択で選んでくださいと言われたのですが、インレーについてネットで調べていたらキャドとい素材も保険でも使えると知りました。
白くて保険が使えるのならそれが良いと思っているのですが、リスクとかあるのでしょうか。
多分、今の病院では選べない素材だと思うので、その場合は他の医院で相談する事も考えています。
よろしくお願い致します。
目次
はじめに
CAD/CAM(キャドキャム)は、最新の歯科治療で使用される技術であり、セラミックとレジン(プラスチック)を混ぜたハイブリッド素材の詰め物・かぶせ物を製作するために使われています。
数年前から保険でも使えるようになった素材なのですが、そのメリットやデメリット、審美性の高さ、耐久性についてお伝えします。
また、まだ新しい素材なので使える条件・制限もあります。
今回は、2024年現在における保険診療の条件を元にお話しします。
※ 本稿で使用されている写真素材は全て当院での撮影、またはそれに付随した施設にて作成されたものです。
使用権は当院に保有されており、無断使用・転用は固くお断り致します。
CAD/CAMとは?
CAD/CAMとは「Computer-Aided Design/Computer-Aided Manufacturing」の略で、コンピュータを用いて歯の補綴物(クラウンやインレー)を設計・製作する技術です。素材の名前ではありません。
現在の歯科保険治療における「CAD/CAM」と言えば上記のハイブリッド素材を指しますが、実際には純セラミックや純プラスチックでCAD/CAM技術を使っているケースもあります。
この技術は、高精度かつスピーディーに補綴物を作成できるため、患者さんにとっても非常に利便性が高いものなんです。
また、工業界で「CAD/CAM」は昔から存在する技術で、車や携帯電話のパーツと言った私達の身の回りにある様々な物にも使われています。昨今では建物を3Dプリンターで作る技術にCAD/CAMが使われていたりもします。
CAD/CAM冠の素材について
CAD/CAM冠(キャドキャム冠)は、セラミック(陶器)とレジン(プラスチック)を混ぜ合わせたハイブリッドレジン素材で作られます。この素材は、天然歯に近い見た目と耐久性を兼ね備えており、審美性を求める患者さんに特に人気があります。
また、従来のメタルクラウンに比べてアレルギーのリスクが少なく、口腔内での適合性も優れています。
CAD/CAMインレーとクラウンのメリット
- 審美性が高い: セラミックが使用されているため、自然な色合いを再現でき、笑ったときも歯が目立たず美しい仕上がりです。
- 金属アレルギーのリスクがない: 金属を使わないため、金属アレルギーを持つ方でも安心して治療を受けることができます。
- 治療時間の短縮: デジタル技術を駆使することで、従来よりも短期間で補綴物を製作できるのも魅力です。
デメリットについて
- 耐久性: ハイブリッドレジンはセラミックや金属ほどの耐久性はなく、強い咬合力を長時間受ける場合、割れやすいことがあります。そのため、歯ぎしりのある患者さんには注意が必要です。
また、長期的には変色や摩耗が起こります。 - 費用: 保険適用が可能ですがメタル素材の倍近い費用は掛かってしまいます。
- 制限:2024年の段階で原則、一番奥の第二大臼歯には耐久性の問題からこの素材は使用が出来ません。また、他の奥歯が無かったり入れ歯を入れている場合も適用外になる場合があるので、担当の先生と相談は必要になります。
ただし、金属アレルギーをお持ちの方の場合はこの制限が解除されるケースもあるので、一度、担当の先生と相談していただくのが良いと思われます。
審美的な利点
CAD/CAM冠は、見た目が非常に美しく、特に前歯部に使用する際には天然歯に近い透明感や光の透過性を持っています。これにより、自然な笑顔を保つことができ、審美的な要求の高い患者さんに非常に向いています。
CAD/CAM冠の寿命は?
エビデンスに基づくと保険適用のCAD/CAM冠の寿命はおおよそ5年とされていますが、これは設計や噛み合わせの状態によって大きく変わってきます。
また、適切なメンテナンスや定期的なチェックを行うことで、さらに長く使用できる場合もあります。耐久性や美しさを長持ちさせるためにも、定期的な歯科検診が大切です。
引用元
①CAD/CAM or conventional ceramic materials restorations longevity: a systematic review and meta-analysis
②CAD/CAMの臨床現状と変革西村好美Clinical Present Situation and Reformation of CAD/CAM Technology Yoshimi Nishimura
青山通り歯科でのデジタル治療
青山通り歯科では、最新のCAD/CAM技術を導入して治療を提供しています。
デジタル光学印象は4年ほど前から導入しており、デジタル歯科治療は1000症例を超えます。
また、国内でも有数のデジタルに強い技工所と提携し、高精度な補綴物を短期間で提供することが可能です。審美的なニーズにも対応し、患者さんに最適な治療を提供します。
まとめ
CAD/CAM技術による歯科治療は、審美性や機能性を兼ね備えた最新の方法です。
青山通り歯科では、患者さん一人ひとりに合った治療を提供し、美しい笑顔と健康な歯をサポートします。CAD/CAM冠やインレーに関するご相談はぜひ当院までお問い合わせください。