「神経を取ります」と言われてしまいました。
Q:Eさん。30代女性
今、他の病院に通っています
大きな虫歯があって、来週には神経の治療をしないといけないと言われてしまいました。いきなり「神経を取ります」と言われても、初めての経験なのでどんな治療をするのか全然わからなくて不安です。
今は痛くないんですが治療後に一時的に痛みが出るかもしれないという事を言われました。
どうしても治療しないとダメなのでしょうか?
A:院長
「虫歯が神経まで進行している場合、根管治療は“必要な治療”です。放置すると、強い痛みや腫れ、さらには抜歯のリスクも高まります。」
ご質問ありがとうございます。初めての治療という事で不安な事も多いと思います。
他院で治療中という事ですが、当院での治療基準をもとに「治療をしなければならない理由」「実際の治療の流れ」を説明していこうと思います。状況の推測も含みますので、ご了承ください。
また。神経の治療の流れは余程の例外がない限り多くの病院で同じ流れでおこなうと思いますので、ご安心ください。

まず、大まかなお話をすると、
①虫歯の大きさがあるボーダーラインを超えると、治療後も酷い痛みが続くようになってしまいます。下の図で言うと、
神経を取る治療をする必要があります。勿論、虫歯をこのまま放置していても、虫歯が大きくなれば同じように強い痛みが出る事にはなります。

②神経の治療方法は、麻酔をしたら歯の上から大きく穴を開け、細い金属製の器具を使って中の神経を掻き出して行きます。麻酔がちゃんと効いていれば治療中の痛みはありません。

③神経が全部取れたところで痛みが無くなっていれば、神経を取った空洞の中に薬を詰めて治療は完了となります。通常1回の治療で痛みが完全に無くなる事は少ないので、中の洗浄を数回に分けて行うことになります。

④治療の際、麻酔をして神経を直接触る事になりますが、どうしても麻酔が切れると治療の影響で痛みが出てきてしまいます。これは通常、時間の経過と共に治っていくので心配ありません。我慢しないで痛み止めを飲んでしのぎましょう。

根管治療(歯内療法)という専門用語があります。
根管というのは歯の根っこの中を神経と血管が通る管で、根管治療とは「虫歯菌や歯周病菌に感染した歯の神経」や「過去の治療で詰めた薬剤や充填剤」などを除去して感染や炎症を取り除く治療のことを指します。
歯髄炎とは?
虫歯が神経まで達した状態で、「何もしなくてもズキズキ痛む」「寝られないほど痛い」といった症状が出ます。
抜髄とは?
炎症を起こした神経を専用の器具で丁寧に取り除く治療です。
私たちの歯の構造
私たちの歯は、外側から「エナメル質」⇒「象牙質」⇒「歯髄(神経)」という構造になっています。エナメル質は人間の体の中でも最も硬い組織ですが、内側にある象牙質は柔らかく、虫歯がここまでどり着くと「痛む」「しみる」といった症状が出始めます。

歯髄炎と抜髄
しみるのを我慢したまま日々を過ごし、象牙質にたどり着いた虫歯がさらに進行していくと、いずれ虫歯は神経(歯髄)まで達してしまいます。「酷くしみる」「何もしなくても痛い」「痛くて寝られない」と言った症状が出るのですが、これを「歯髄炎」と言いいます。
この状態になると自然と治ることはまず無いので、ちゃんと治療をする必要があります。「ファイル」というワイヤーのような細い器具を使い、炎症を起こした神経を全て掻き出して綺麗にします。この処置を「抜髄(ばつずい)」といいます。

感染根管治療
神経を取った根管は、そのままに空洞の状態にしておくと中で細菌が自由に繁殖してしまいます。そのため、抜髄後は根管にゴムのような素材を詰めて密封します。
このゴムのような素材が経年劣化をして細菌感染をすると「根尖性歯周炎(感染根管)」という状態になります。「歯髄炎」とは異なり、不定期に歯茎の中で異物感や鈍痛がしたり、温かい飲み物がしみるようになったりします。
この場合、感染した素材を取り除いて根管を再び綺麗にする必要があるのですが、これを「感染根管治療」と言います。

根管治療の流れ
①診断(通院回数:1 回)
レントゲンや CTを撮影して虫歯の状況を調べ、今後の治療計画を立てます。
②抜髄・感染根管治療(通院回数:1 回)
歯の神経が歯髄炎を起こしている場合は「抜髄」の処置をおこないます。歯の神経がすで
に死んでしまっている場合や、過去に治療した際の充填物や薬剤が根管内に残っている場
合は、それらを専用の器具で掻き出します。
③薬剤での殺菌・根管内の洗浄(通院回数:3 回~)
根管内を洗浄して残った感染物質を除去し、消毒の薬を入れます。この処置のことを「根管洗浄」「貼薬(ちょうやく)」といいます。通常、一回の処置では根管内は完全に綺麗にならないので、これを数回繰り返します。
④根管充填
根管貼薬を繰り返し根管内が十分殺菌され綺麗になったら、ゴムのような素材(ガッタパーチャと呼
ばれる樹脂製の細い詰め物)を根管内に詰め込み厳重に封をします。(ケースによっては
MTA セメントと呼ばれるものを充填する場合もあります)。
⑤被せ物へ
根管充填が終わったら、あとは歯の補強のために土台を入れて、被せ物の段階に入ります→
青山通り歯科が考える根管治療の最終目的(ゴール)
根管治療の大きな目的は「大きな虫歯があった自分の歯を、抜く事なく残す」事です。
ですが、ただ歯を残すだけではなく「痛くなく」「噛める」「長持する」事がさらに大切です。
青山通り歯科では、患者さんの生活スタイルや御要望にも耳を傾けつつ、快適に歯を長持ちさせていくお手伝いができるよう努めております。
根管治療は「難症例」と言われるものも多く、保険の治療だけでは満足のいく結果が出せない場合もあり、その場合は専門の設備を備えた根管治療の専門医を紹介するという選択肢もあります。
この場合、保険外診療とはなりますが、これも、より確実な治療結果を出すために当院が考える最良の手段だと思っています。
当院の治療内容については、こちらからご確認をお願いします。
痛みがなくても神経が炎症を起こしていることはあります。「神経は残せるのか?」「この治療、本当に必要なのか?」と感じたら、まずは一度ご相談ください。
