歯医者で言われる「様子を見ましょう」は、本当に“あと回し”なのか?
目次
「様子を見ましょう」と言われた瞬間の、あの違和感
歯が痛い。
黒っぽい点が気になる。
先週から何かおかしい気がする。
ずっと後回しにしていたけれど、ようやく重い腰を上げて歯医者に行った。
レントゲンを撮られ、口の中をのぞかれ、先生が何かを確認している。
で、出てきた一言が——
「様子を見ましょう。」
……それだけ?
(何もしないんですか?)
(また来ればいいんですか?)
(このままで大丈夫なんですか?)
そういう言葉が口まで出かけて、でも聞けなくて、なんとなく会計を済ませて外に出る。
そんな経験はありませんか?
この「様子を見ましょう」という言葉には不思議な力があります。
安心でも不安でもない半端な宙吊り感。
「結局、何もしてくれないってこと?」という感情。
「私、あと回しにされてる?」という小さな不信感。
ハッキリ言っておきます。
その不安は、おかしくありません。
自然な感覚です。
でも、同時に伝えたいことがあります。
「様子を見ましょう」という判断が医学的に正しい選択である場合は、一般の皆さんが思っている以上に多い、ということです。
ただし——その判断が正しいかどうかを確認するための情報が、まったく患者さんに届いていないケースも多い。
そこが問題の本質な気もしています。
「様子を見ます、と言われてそのままだった…」
「きちんと説明がないのが嫌だった…」
そういった御経験をお持ちで、当院にご連絡を頂く方は非常に多いです。
このコラムでは、「様子を見ましょう」という言葉の裏にある医学的な理由と、それが本当に「あと回し」なのかどうかを丁寧に整理します。
そして最後に、あなたが次に歯医者へ行ったときにそのまま使える質問の言葉も具体的にお伝えします。
歯科医への不信感を持ってしまっている方にも、まずこれを読んでほしいと思っています。
ただ、読んだ上で担当の先生を疑いはじめるより、「もう少し聞いてみよう」と思っていただける些細なきっかけになれたら。そう思っています。
結論:「あと回し」ではないケースの方が多い
結論から言うと、歯科における「様子を見ましょう」は、多くの場合「あと回し」ではありません。
むしろ、今すぐ治療しないことが医学的に正しい選択であることのほうが多いです。
歯科医師はちゃんと「今は手を出さない理由」を持っています。
ただし、ここからが大事です。
そうは言っても「あと回しに聞こえてしまう」のには理由があります。
発言に至ったストーリーの説明なしに「様子を見ましょう」と言われたら、患者さんが不信感を持つのは当然のことです。
探偵ドラマの1話目で、主人公が突然「調査は終わりにして、しばらく様子をみましょう…」と言い出したら一同「えっ!」ってなりますよね。
それまでの伏線や状況説明がなければ、“何かを隠しているのでは?”と感じるのは当然です。
医療でも同じです。
「様子を見ましょう」という言葉自体が問題なのではなく、
そこに至るストーリーが共有されていないことが問題なのです。
たとえば——
① 初期虫歯(エナメル質だけが溶けはじめた段階)を経過観察している場合。
② 痛みの原因がまだ特定できず、情報を集めている段階。
③ 歯ぐきや骨の状態が不安定で、すぐに治療を始めない方がいい場合。
④ 親知らずの位置が深いので、出てくるのを待っている段階。
実際、これらはすべて「様子を見ましょう」という言葉で片付けることは可能です。
ですが背景はまったく違います。 同じ言葉が一人歩きしてしまっているのが現状です。
まずは、その言葉の裏にある「正しい理由」から整理していきましょう。
歯科医療は「今すぐやる」だけが正解ではない
内科や外科で異常が見つかれば「すぐ処置する」という流れを想像するかもしれません。
でも歯科医療は、少し構造が違います。
歯科の根本的な特徴は、歯が「不可逆性」だということです。
削ったら、元に戻らない。
これは医科との大きな違いです。
歯は削ると自然には元に戻りません。
皮膚や骨のように、時間とともに再生していく組織とは性質が違います。
なので、外科であれば「切って悪いものを取り除く」という積極的介入が基本ですが、歯科は「残して守る」ことに価値を置く方向へ、この数十年でずいぶん変わってきました。
「削るのは簡単なんです。でも一度削った歯は、
一生削られた歯のまま。それを忘れてはいけない」
これは、歯科医師が研修の頃によく耳にする言葉です。
「何もしない」と「何も考えていない」は、まったく別の話です。
一見すると同じに見えるかもしれない。
でも担当の先生が「今は手を出さない」と判断しているとき、頭の中では相当な量の情報処理が起きている筈なんです。
理由①:進んでいないなら、削らない方がいい
たとえば、先ほどの①で言った初期虫歯の話をしてみましょう。
虫歯には段階があります。
C1「歯の表面(エナメル質)だけが溶けはじめた状態」
C2「歯の内側の層(象牙質)まで進んだ状態」
C3「神経に達した状態」
と、大まかに深さが変わっていきますが、実はこの更に手前の段階があります。
これをC0 初期虫歯と言います。
初期虫歯の段階——表面だけが少しカルシウムを失って歯が弱くなった状態——
この状態であれば、唾液の力や適切なケアで進行を止めたり回復を期待することが出来ます。
これを、「すぐに削って詰め物をしましょう!」とすることが正しい治療かというと…そうとは言えないと思います。
削れば歯に穴が開く。
その穴は一生ふさぎ続けることになる。
最初は小さな詰め物でも、治療を繰り返すたびに削る量は増えていく。
いずれ神経を取らなきゃいけなくなる、いずれ歯を抜かなきゃいけなくなる…。
本来、歯は“治せばいい”ものではなく、
一生かけて“守り続ける”ものなんです。
それを理解した上で、「今は削らない方がいい」という判断は、本来とても合理的なものです。
軽度の歯周病(歯ぐきと歯の間の組織に炎症が起きた状態)でも、同じ構造があります。
まずブラッシングの改善と歯石の除去を優先して、歯ぐきの状態が落ち着いてから次のステップを考える。
その期間中は、「治療している」ように見えない段階が続くことがあります。
歯に入った小さなヒビ(クラックといいます)も同様で、ヒビが広がる可能性はあるけれど、今すぐ被せ物を入れることは、歯を大きく削ってしまう事になる。
だから慎重に様子を見ながら判断する、ということが起きます。
「削るリスク」と「放置リスク」は、常に天秤にかかっています。
ここを誤解しないでください。 放置が良いと言いたいわけではありません。
「今治療する」ことにも、リスクがある。
その判断のバランスを取ることが、歯科医師の仕事の一つであり、センスの出るところでもあるかもしれません。
「今は治療しない」という積極的な判断
「放置」と「経過観察」はまったく違います。
放置は、何も考えずに手を離すことです。
経過観察は、状態を見ながら次の判断のための情報を集めることです。
この区別は、患者さんには伝わりにくい。
なぜなら、見た目には同じ「何もしていない」ように見えるからです。
でも、ここが大事です。
良心的な歯科医師ほど、「今は削らない」という地味な判断をすることがあります。
それは、歯の寿命という長期視点から見ているからなんです。
歯医者が何もしないときは、実は頭の中ではいろいろと考えていたりします。
「あと3ヶ月後に再確認しよう」
「この状態が続くなら次は〇〇を検討しよう」
「少し待てば、削る量が減らせるかもしれない」
という長期作戦が、静かに動いているわけです。
実は、地味な判断ほど派手な治療より遥かに大事だったりします。
ただし、その「計画」が患者さんに伝わっていないと、不信感しか残らない。
これが、説明不足の大きな問題です。
理由②:時間を味方につけないと分からないことがある
ざっくり「歯が痛いです」と言ったとき、その痛みの正体を歯科医師が即座に特定できるとは限りません。
いわゆる歯の痛み。原因として考えられるものは山ほどの原因がありまして、
虫歯、歯ぐきの炎症、噛み合わせの問題、歯の神経の慢性的な炎症、顎の関節の問題、食いしばりによる筋肉疲労云々——さらに、実は痛いのが歯じゃなくて骨だったり…みたいなケースも往々にしてあるので、細かく分けていくと実に多くの可能性が浮上します。
一度の診察で全部の原因を特定するのは難しい場合があります。
特に厄介なのが、「一過性の症状」です。
冷たいものを飲んだときだけ痛む、強く噛んだときだけ違和感がある、昨日は痛かったけど今日は平気——こういう症状は、診察のたびに状態が変わります。
その変化をしばらく追わないと、適切な判断ができないことがある。
とにかく、すぐに削って詰めればなんとかなるってもんじゃないんです。
歯の神経に関わる問題は特にそうで、「神経を取るか、取らないか」の判断は慎重に行う必要があります。
急いで神経を取って後から「取らなくてよかったかも」となるよりも、もう少し様子を見て本当に必要かを確認した方がいい、という場面は良くあります。
「様子を見る」という期間は、
言い換えれば「情報を集めている時間」なんです。
天気予報に例えるとすれば、たった1枚の天気図だけで「明日は雨」とは断言できないですよね。
数日間のデータを積み重ねてはじめて、より精度の高い判断ができる。
歯科の経過観察にも、それと似た意味があります。
経過観察には「条件」が必要
ただし——ここが大事です。
経過観察が「良い経過観察」になるためには、条件があります。
その条件は3つです。
① 期間が決まっていること。
「2ヶ月後にもう一度確認しましょう」という具体的な見通しがあるかどうか。
「また何かあれば来てください」という言葉では、患者さんは迷子になります。
② 判断基準が言語化されていること。
患者さんは歯の専門家じゃありません。
「この症状が出たらすぐ連絡してください」
「これ以上広がったら次のステップへ」
という、具体的な説明があるかどうかが大事です。
何が起きたら治療に移るのかが分からないと、患者さんは毎日不安になるしかないですよね。
③ 次の確認の機会が設定されていること
「何もしない期間」であっても、次に確認する機会がセットされているかどうかは大事です。
「また何かあれば来てください」という言葉だけでは、経過観察としては不十分なことがあります。
この3つが揃っていない経過観察は、患者さんにとってはただの「放置」と区別がつきません。
曖昧なまま帰されると、歯科医への不信感が生まれるのは当然のことです。
理由③:治療が”害”になることもある
これは少し驚かれるかもしれませんが、
治療の“タイミング”を誤ることで、結果的に患者さんに不利益を生むケースがあります。
たとえば、歯ぐきが腫れている状態で型取りをして被せ物を作ってしまうと、腫れが引いた後にサイズが合わなくなることがあります。
また、骨の状態が不安定な時期にインプラントの手術をすると、最悪、インプラントが脱落してしまうことがあります。
神経の痛みが残っているのに被せものをしてしまうと、その後も痛みが続いてしまうことがあります。
「クイックな治療=善」とは限らない場面が、歯科には少なくありません。
建物の話でたとえるなら。
建物のコンクリートが十分に固まっていないのに、屋根を乗っけてしまう。
地盤に不安があるのに、時間をかけて調査をせずに工事を始めてしまう。
そんな感じかもしれません。
歯科治療にも、「今すぐ手を出さない方がいい」という状態があり、治療を急いでしまうと、結局、治療をやり直したり、最悪、もっと悪い状況を作ってしまったりします。
歯科治療には「待つ勇気」が必要な場面がある
正直に言います。
歯科医師にとって、「治療をする」という選択は仕事として分かりやすいものです。
削って、詰めて、被せて——これは行動が見える。 患者さんにも「ちゃんとやってくれた」という実感が残りやすい。
一方、「今は何もしない」という判断は、地味です。
患者さんからすれば「何もしてくれなかった」に見えることもある。
だからこそ、あえて手を出さない判断には、ある種の覚悟が必要です。
これは技術の話ではなく、倫理の話です。 「今治療した方が、自分(医師)にとって仕事になる」という状況で、それでも「今は待ちましょう」と言えるかどうか。
その判断は、派手じゃない。でも、患者さんの歯の寿命に直結する。 良心的な判断ほど、伝わりにくい側面があります。
正直な話:「あと回し」にされているケースはある
ここまで「様子を見ましょう」が医学的に正しい判断である理由を述べてきましたが、正直に言います。
正直、ゼロではありません。
歯医者が「あと回し」にしている、という意味での「様子を見ましょう」も存在します。
たとえば、混んでいて時間が取れないから説明を省略した。
判断が難しいケースで、深く考えるのを先延ばしにした。
患者さんにうまく説明できないので「また来てください」で終わらせた——そういうことが、起こらないとは言い切れません。
患者さんが「なんか流されたな」「ちゃんと向き合ってもらえなかった」と感じたとき、その違和感は必ずしも間違っていない。
これははっきり言っておきます。 説明不足の「様子を見ましょう」は、医療として成立していません。 理由が伝わっていないなら、患者さんには判断する材料がない。 それは、医師の側の問題です。
ただし——だからといって「歯医者の様子見はすべて怪しい」ということにはならない。
そこだけは、誤解しないでください。
同じ言葉でも、中身はまったく違う
「様子を見ましょう」という言葉は、まるで同じ形をした不透明な容器のようなものです。
中に何が入っているかは、開けてみないと分からない。
丁寧な理由と計画が入っている場合もあれば、「とりあえず」という思考停止が混ざっている場合もあるかもしれません。
問題は、容器の形が同じだから、患者さんには区別がつかないということです。
だからこそ、患者さんには「中身を確認する権利」があります。
そして医師には、「中身を見えるようにする責任」があります。
次の章では、その「中身」をどう見分けるかを整理します。
不安が残る「様子を見ましょう」
「様子を見ましょう」と言われた後、不安が残るケースには共通のパターンがあります。
理由がない。 なぜ今は治療しないのか、説明がない。
「様子を見ましょう」の一言で終わり。これでは患者さんは何も分からないまま帰ることになる。
「でも、何で?」という疑問が残るのは当然のことです。
期間がない。 いつまで様子を見るのかが示されていない。
「また何かあれば来てください」という言葉は、一見すると親切に聞こえますが、判断を患者さんに丸投げしているとも言えます。
「何かあれば」の「何か」が分からないのに、患者さんには何もできないですよね。
判断基準がない。 どういう状態になったら治療が必要で、どういう状態なら問題ないのか。 その線引きが伝わっていないと、患者さんは毎日「これは悪化してるのか?」と不安になるしかない。
この3つが揃っていない「様子を見ましょう」は、患者さんにとって何の情報も与えていないのと同じです。 歯医者にあと回しにされているのか、それとも正当な経過観察なのかを確認するために最初に見るべきなのが、この3点セットが揃っているかどうかです。
信頼できる「様子を見ましょう」の一例
では、医療として成立している「様子を見ましょう」の例はどういうものか。
具体的なイメージとして、こんな説明があると患者さんは安心できます。
「今、虫歯になりかけている部分がありますが、まだ表面だけの段階です。
フッ素を塗ってブラッシングを改善しながら、3ヶ月後にもう一度レントゲンで確認しましょう。
その時点で進行していれば削る判断をします。ただ、今削ると歯へのダメージの方が大きいと考えています。
もしそれまでに冷たいものがしみる、噛んで痛いといった症状が出た場合は、すぐご連絡ください。」
このような説明には、理由・期限・判断基準・緊急時の対応が全部入っています。
「様子を見る」という行動は同じでも、この説明があれば患者さんは納得して帰ることができます。 「何か起きたら連絡する」という具体的な行動もできる。
そして、3ヶ月後に「どうなったか」を確認するという次のステップが見えている。
経過観察とは、本来こういうものです。 説明・期限・条件が揃ってはじめて、医療として成立します。
これはワガママではありません
「聞いたら失礼かな」「質問したら先生を困らせるかな」
そう思って、「様子を見ましょう」と言われたまま黙って帰る人は少なくありません。
でも、ここははっきり言います。
質問することは、不信感の表れではありません。
質問することは、不信感の表れではありません。
むしろ、治療の質を上げるための情報共有です。
歯科医療は、歯科医師と患者さんが一緒に進めていくものです。
歯の状態を知っているのは医師だけで、その歯で生活しているのは患者さんだけ。
その2つが揃って初めて、正しい判断ができる。
「なぜ今は治療しないんですか」と聞くことは、共同作業への参加です。
ワガママでも、クレームでもありません。
この4つを聞いてみる案
もし、次に歯医者で「様子を見ましょう」と言われたとき、そのまま使える質問として心の隅に置いておいください。
質問① 「なぜ今は治療しないのか」
今すぐ治療しない理由を確認する質問です。 理由が明確であれば安心できますし、答えが曖昧であれば、それ自体がひとつの情報になります。
質問② 「どれくらいの期間、様子を見るのか」
「また何かあれば」ではなく、次の確認のタイミングを具体的に聞く質問です。 3ヶ月後なのか、半年後なのか、それとも症状が変わるまで不定期なのか。明確な期限があると安心感が違います。
質問③ 「どうなったら治療が必要になるのか」
経過観察の判断基準を聞く質問です。 「こういう症状が出たら連絡してください」「次のレントゲンで〇〇になっていたら治療に入ります」など、具体的な分岐点が分かると、不安が格段に減ります。
質問④ 「放置した場合のリスクはありますか?」
放置した場合に何が起こりうるかを聞く質問です。
「今は問題ない」の背景に「ただしこういうリスクはある」という情報が隠れていることがあります。 それを知ることで、自分でケアする意識も変わります。
この4つは、「先生を責める」のではなく「一緒に考える」ための質問として使ってください。
良い歯科医師であれば、これらに丁寧に答えてくれるはずです。
もし答えが返ってこない、あるいは曖昧なままであれば、別の歯科医師にも意見を聞くこと(セカンドオピニオン)を検討することも、あなたの正当な選択肢です。
削らない判断、待つ判断、介入しない勇気
歯科医療の本質を一言で言うなら、「守ること」だと思っています。
削って詰めて被せる——これは歯科治療の一部ですが、すべてではありません。
むしろ、その治療が必要な状況を作らないこと、必要になるタイミングを遅らせること、一度の治療を長持ちさせること。
そういう「静かな仕事」こそが、歯科医療の根幹にあります。
「様子を見ましょう」という言葉の裏には、この価値観があります。
今すぐ削れば、「治療した」という実感が残る。
でも歯には傷が残る。
今は待てば、「何もしなかった」と見える。
でも歯は守られる。
どちらが良いかは、状況によります。 でも後者の判断の重みは、見た目には伝わりにくい。
大事なのは、歯科医師が「派手な治療をたくさんする」ことではなく、「あなたの歯が長く使えるよう考えること」です。
何もしない勇気を持てる医師が、患者さんの歯の寿命について本気で考えているとも言えます。
歯は、あなたのものです
最後に、一番大切なことを言います。
歯の治療を選ぶ主体は、あなたです。
「先生がそう言うから」で決まる治療は、後から違和感が残りやすいです。
「全部聞いた上で、自分で選んだ」と思える治療の方が、たとえ結果が完璧でなくても納得感が残ります。
「様子を見ましょう」と言われたとき、それが正しい判断なのかどうかを確認することは、あなたに許された権利です。
聞いていい。確認していい。
納得できなければ、別の意見を聞いてもいい。
これはワガママではありません。
歯科医師はあなたの歯の専門家ですが、その歯で生活するのはあなた自身です。
説明が足りないと感じたなら、「もう少し詳しく教えてもらえますか」と言っていい。
「なんか違うな」という直感は、軽視しなくていい。
ただ、一つだけお願いがあります。
「様子を見ましょう」という言葉を、最初から「あと回し」と決めつけないでほしいということです。 その判断が正しいかどうかを確認する方法は、このコラムでお伝えしました。
理由がある。期限がある。判断基準がある。
この3つが揃っているなら、それは医療として真剣に考えられた判断です。
揃っていないなら、聞けばいいんです。
自分の歯のことを、自分で理解しながら治療を進めていく。
その主体性を持っていることが、長い目で見れば歯を守ることにつながります。
歯は、あなたのものです。
治療を選ぶ主体も、あなたです。
「様子を見ましょう」と言われた瞬間の、あの宙吊り感
その正体が少しでも解けたなら、このコラムを書いた意味があったのかもしれません。
青山通り歯科 院長
2008年に日本歯科大学を卒業後、数々の臨床経験を積み、現在は青山通り歯科の院長として患者様に寄り添う治療を提供しています。最新のデジタル技術を活用し、審美歯科から予防歯科まで幅広い診療を行うことで、多くの患者様の信頼を得ています。
また、ウェディングや建築、アーティストのポートレート撮影を中心とするプロカメラマンとしても活動しています。
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