赤坂のオフィスワーカーへ|夕方の肩こり・頭痛は、仕事中の食いしばりによる“歯の残業”かもしれません
目次
“歯の残業”?
肩を揉んでも、湿布を貼っても、頭痛薬を飲んでも、なぜか夕方になるとつらい。
その不調、もしかすると「肩」や「頭」だけではなく、仕事中の奥歯の食いしばりが関係しているかもしれません。
パソコン作業中、会議中、メールの返信に追われているとき。
ふと気づくと、上下の歯が触れていたり、奥歯に力が入っていたりしませんか?
実は、リラックスしているときの上下の歯は、本来ずっと接触しているものではありません。安静時には、上下の歯の間に1〜3mm程度のすき間があるとされています。神奈川県歯科医師会も、安静時には上下の歯列間に1〜3mmの隙間があり、上下の歯が接触するのは物を噛む時と飲み込む時と説明しています。
つまり、歯は本来、ほとんどの時間「離れている」のが普通です。
それなのに、赤坂のオフィスで長時間パソコンに向かいながら、何時間も奥歯が触れ続けているとしたら。
それは歯や顎にとって、休憩なしで働き続ける“歯の残業”になっているかもしれません。

この記事の結論
夕方になると肩こりや頭痛がつらくなる場合、仕事中の食いしばりやTCH(Tooth Contacting Habit:歯列接触癖)、つまり歯列接触癖が一因になっていることがあります。
TCHとは、食事や会話、飲み込むとき以外に、上下の歯が軽く触れ続ける癖のことです。強く噛みしめていなくても、弱い力で長時間歯が接触し続けると、歯・顎・頭頚部の筋肉に負担がかかることがあります。歯科医師会でも、弱い力でも接触時間が長くなると大きな負担になると説明しています。
青山通り歯科では、食いしばりや歯ぎしりを「歯だけの問題」として見ていません。
歯のすり減り、詰め物・被せ物の破損、顎のだるさだけでなく、咬筋、側頭筋、首まわりなど、頭頚部の筋肉の状態も含めて確認します。
そもそも食いしばりとは?歯ぎしり・TCHとの違い
食いしばり、歯ぎしり、TCHは似ていますが、少しずつ意味が違います。
どれも歯や顎に負担をかける可能性がありますが、特にオフィスワーカーに多いのは、音が出ず、自覚しにくい日中の食いしばりやTCHです。
食いしばりとは、上下の歯を噛みしめる状態です
食いしばりとは、上下の歯を強く噛みしめる状態です。
重い物を持ち上げるとき、緊張しているとき、集中しているときなどに起こることがあります。
ただし、問題は「強く噛んでいるとき」だけではありません。
オフィスワーク中の食いしばりは、本人にとってはそこまで強く噛んでいる感覚がないこともあります。
しかし、軽い力でも何時間も、しかもそれが毎日続くとなれば歯や顎には負担が蓄積していきます。
腱鞘炎と似たようなものです。
歯ぎしりとは、歯を噛みしめたり擦り合わせたりする状態です
歯ぎしりは、医学的にはブラキシズムと呼ばれます。
MSDマニュアルでは、ブラキシズムを「歯を噛みしめたり上下の歯を擦り合わせること」と説明しています。また、睡眠中だけでなく、目が覚めているときにも起こるとされています。
一般的には「歯ぎしり=寝ている間にギリギリ音がするもの」と思われがちです。
しかし実際には、音が出ないタイプもあるので注意が必要です。
音の自己申告をもとにした調査では、成人の睡眠時ブラキシズムは約5〜8%とされます。一方で、近年の分析では睡眠時ブラキシズム全体の有病率は約21%と報告されており、診断方法によって数字には幅があります。
つまり、音がする歯ぎしりだけを基準にすると、音が出にくい噛みしめ型を見逃す可能性があります。
つまり、家族や同居人に「歯ぎしりしているよ」と言われたことがなくても、睡眠中に奥歯を噛みしめている可能性は十分にあるんです。
TCHとは、弱い力で上下の歯が触れ続ける癖です
TCHとは、Tooth Contacting Habitの略で、日本語では歯列接触癖と呼ばれます。
食事や会話、飲み込むとき以外に、上下の歯が軽く触れ続ける癖のことです。
TCHの厄介なところは、「噛みしめている」という自覚が非常に少ないことです。
たとえば、パソコン画面を見ながら資料を作っているとき。
スマホでメッセージを返しているとき。
会議で黙って話を聞いているとき。
このような場面で、上下の歯が軽く触れている。
本人は「力なんて入れていない」と思っている。
でも、1時間、2時間と続けば、顎の筋肉にとっては地味にきつい。
これはジムで重いダンベルを一気に持ち上げるというより、軽い荷物をずっと持たされている状態に近いです。派手ではないけれど、じわじわ疲れます。
実際、当院にいらっしゃる患者さんに
「上下の歯って普段は離れているんですよ?」と、話すと
「…ずっと当たってるかもしれないです!!」と、その異常に初めて気が付く方はびっくりするほど多いです。
且つて、自分もその一人でした。
詳細は以下でお話します。
本来、上下の歯は離れているのが自然です
安静時の上下の歯は、本来、接触していない状態が自然です。
口を閉じていることと、歯が触れていることは同じではありません。
安静時には上下の歯の間に1〜3mm程度のすき間があります
何もしていないとき、唇は閉じていても、上下の歯は少し離れている。
このすき間を、歯科では安静時空隙、またはフリーウェイスペースと呼びます。
神奈川県歯科医師会は、平常の安静時には上下の歯列間に1〜3mmの隙間があると説明しています。
つまり、リラックスしているときに上下の歯がずっと触れているなら、それは「普通の状態」ではなく、歯や顎に負担をかけている可能性があります。
歯が接触している時間は、1日10数分〜20分程度とも説明されます
歯科領域では、上下の歯が接触している時間は、1日のうち10数分〜20分程度と説明されることがあります。
この数字には文献や説明によって幅があります。
そのため「世界の統計で必ず何分」と断定するのは避けた方がよいです。
ただ、重要なのは細かい分数ではありません。
大事なのは、上下の歯は本来、1日のほとんどの時間は離れているという事実です。
24時間は1440分です。
仮に歯が接触している時間を20分と考えても、1日のうち約1.4%程度です。
それなのに、仕事中に5時間も6時間も上下の歯が触れ続けているとしたら、歯にとってはかなりのオーバーワークになるんです。
仕事中ずっと歯が触れているなら“歯の残業”かもしれません
赤坂で働くオフィスワーカーの方は、1日7〜8時間以上、パソコンに向かっていることも珍しくありません。
集中している。
嫌な締切に追われている。
取引先へのメールを慎重に書いている。
会議中に言葉を飲み込んでいる。
こういうとき、人は無意識に口元に力が入りやすくなります。
自分では気が付かないですけどね。
本来なら休んでいるはずの歯が、仕事中ずっと働かされている。
それが、この記事でいう“歯の残業”です。
肩や目の疲れには気づくのに、奥歯の疲れには気づきにくい。
ここが、オフィスワーカーの食いしばりの怖いところです。
なぜオフィスワーク中に食いしばりが起こりやすいのか
オフィスワーク中の食いしばりは、集中、ストレス、姿勢、画面作業などが重なって起こりやすくなります。
特にTCHは、パソコンやスマホの使用時など、何かに集中しているときに起こりやすいとされています。
集中していると奥歯に力が入りやすくなります
集中しているとき、人は体のどこかに力が入ります。
肩が上がる人。
眉間にしわが寄る人。
呼吸が浅くなる人。
そして、奥歯を噛みしめる人。
パソコン作業中にふと気づいたら、上下の歯が触れている。
資料作成中に、奥歯がじわっと重い。
会議後に、こめかみが張っている。
こうした感覚に気づいてみてください。
ストレスや緊張が顎まわりに出ることがあります
ストレスは、必ずしも「心」だけに出るわけではありません。
首、肩、背中、胃、そして顎にも出ます。
緊張しているときに、肩がこる。
プレッシャーが強いと、首が固まる。
同じように、仕事中のストレスが奥歯の食いしばりとして出ることがあります。
もちろん、ストレスだけが原因とは言えません。
睡眠、姿勢、生活習慣、薬剤、噛み合わせなど、さまざまな要素が関係します。
ただ、赤坂・赤坂見附周辺で忙しく働いている方の場合、長時間のデスクワークと緊張状態は無視できない要素です。
前傾姿勢や猫背も、顎まわりの緊張に関係します
パソコン作業が長くなると、頭が前に出て、背中が丸まり、首や肩に負担がかかりやすくなります。
頭は意外と重いです。
その重い頭が前に出ると、首まわりの筋肉はずっと支え続けることになります。
その状態でさらに歯が触れ続けていると、首、肩、こめかみ、顎まわりの筋肉がまとめて緊張しやすくなります。
「肩こりだと思っていたけれど、実は顎も疲れていた」
こういうケースは珍しくありません。
食いしばりが歯に与える影響
食いしばりや歯ぎしりが続くと、歯のすり減り、ヒビ、欠け、詰め物・被せ物の破損、知覚過敏などにつながることがあります。
MSDマニュアルでも、ブラキシズムによって歯がすり減ったり損傷したり、クラウンが折れたり損傷したりすることがあると説明されています。
歯がすり減る・ヒビが入る・欠けることがあります
歯は硬い組織ですが、無限に強いわけではありません。
毎日、長時間にわたって力がかかれば、少しずつすり減ったり、細かいヒビが入ったり、歯の一部が欠けたりすることがあります。
特に奥歯は、噛む力を受け止める場所です。
食いしばりが強い方では、奥歯の溝が平らになっていたり、歯の表面にツヤのある摩耗面が見られることもあります。
詰め物や被せ物が取れる・割れることがあります
「治したはずの詰め物が何度も取れる」
「セラミックや被せ物が割れた」
「同じ場所ばかりトラブルが起こる」
このようなトラブルは歯医者さん業界の中で非常によく聞く話ですが、これの原因は設計の問題や虫歯だけでなく、噛む力の影響も考える必要があります。
個人的に、この「噛む力」によるトラブルの認知度は、まだけして高いと感じていません。
詰め物や被せ物は、材料そのものの強度だけで決まるわけではありません。
どの方向から、どれくらいの力が、どの頻度でかかるか。
…本当はもっともっと細かい要素があるのですが、そういった部分がかなり重要です。
勿論、見た目がきれいに治る事も大事ですが、せっかくセットした詰め物やかぶせ物が健康的に長持ちする事の方が大事だと思っています。
虫歯ではないのに歯がしみることがあります
冷たいものがしみると、多くの方はまず虫歯を疑います。
もちろん、虫歯が原因のこともあります。
しかし、歯がしみる原因は虫歯だけではありません。
特に多いのが、知覚過敏です。
知覚過敏は、歯の表面を守っているエナメル質が薄くなったり、歯ぐきが下がって歯の根元の象牙質が露出したりすることで起こります。
その結果、冷たいもの、歯ブラシの刺激、甘いもの、風などで「キーン」としみることがあります。
ここで重要なのが、くさび状欠損とアブフラクションです。
知覚過敏・くさび状欠損・アブフラクション
楔状欠損とは、歯と歯ぐきの境目付近が、くさび状に削れたり欠けたりしている状態のことです。
歯の根元に小さなくびれや段差ができるため、象牙質が露出しやすくなり、知覚過敏の原因になることがあります。
そして、食いしばりや歯ぎしりなどの強い噛む力が歯の根元に集中し、歯頸部の歯質が壊れていく現象をアブフラクションと呼びます。アブフラクションは、過大な咬合力によって生じる歯頸部歯質の楔(くさび)状欠損として説明されています。
つまり、歯がしみる原因が、単なる「磨きすぎ」だけではなく、食いしばりや歯ぎしりによる力の負担にあるケースもあります。
実際、非う蝕性歯頸部歯質欠損、いわゆるNCCLは成人でよく見られる病変です。2021年の研究では、NCCLと象牙質知覚過敏の関連が扱われ、世界的な象牙質知覚過敏の有病率は約11.5%と報告されています。
また、2025年の研究では、対象者のNCCL有病率が49.7%、象牙質知覚過敏が84.7%と報告され、NCCLと知覚過敏の関連が示されています。
もちろん、すべての知覚過敏がアブフラクションによるものではありません。
強すぎるブラッシング、歯周病による歯ぐき下がり、酸性飲食物による酸蝕、ホワイトニング、虫歯など、原因は複数あります。
ただ、赤坂でデスクワークをしていて、仕事中の食いしばりがあり、さらに歯の根元がしみる場合は、楔状欠損やアブフラクションによる知覚過敏も疑う必要があります。
つまり、歯の違和感は「虫歯かどうか」だけでは判断できません。
虫歯ではなく、力の問題として見た方がよいケースもあります。
食いしばりは肩こり・頭痛・眼精疲労と関係することがあります
食いしばりは、歯だけでなく、肩こり、頭痛、こめかみの重さ、首や顎の痛みと関係することがあります。
ただし、肩こりや頭痛には姿勢、眼精疲労、睡眠不足、ストレスなど複数の要因があるため、食いしばりだけが原因とは限りません。
咬筋・側頭筋の緊張が首や肩に広がることがあります
奥歯を噛みしめると、頬の筋肉である咬筋や、こめかみ周辺にある側頭筋が働きます。
これらの筋肉が緊張し続けると、こめかみの重さ、顎のだるさ、首や肩のこりとして感じることがあります。
MSDマニュアルでも、歯ぎしりでは筋肉が繰り返し収縮するため、頭痛や首、顎の痛みが起こることがあると説明されています。
また、顎関節周囲の筋筋膜性疼痛では、顎まわりの筋肉の痛みや緊張、開口制限に加え、頭痛や頭頚部の他の部位の痛みも生じるとされています。
夕方になるとつらくなる理由
朝はまだ大丈夫。
でも、午後から夕方にかけて、だんだん肩が重くなる。
こめかみが痛い。
目の奥が疲れる。
奥歯が浮いたような感じがする。
このような場合、1日の仕事中に少しずつ積み上がった筋肉の疲労が関係しているかもしれません。
歯の食いしばりは、1回だけなら大きな問題にならないこともあります。
しかし、毎日、何時間も、無意識に続くと話は別です。
小さな負荷でも、積み重なると大きな負担になります。
まさに、歯と顎の残業代が夕方にまとめて請求されるようなものです。
肩だけを揉んでも改善しない不調に注意
肩こりがあると、多くの方は肩を揉みます。
頭痛があると、頭痛薬を飲みます。
目が疲れると、目薬をさします。
もちろん、それで楽になることもあります。
ただ、もし毎日のように夕方の肩こりや頭痛を繰り返しているなら、肩や頭だけでなく、顎や奥歯の状態も確認してみる価値があります。
肩こりの原因が、肩だけにあるとは限りません。
頭痛の原因が、頭だけにあるとも限りません。
大切な事なので、もう一回言います。
肩こりの原因が、肩だけにあるとは限りません。
頭痛の原因が、頭だけにあるとも限りません。
仕事中の奥歯。
ここに、意外なヒントが隠れているかもしれません。
かみ合わせが悪いから食いしばる、とは限りません
食いしばりや歯ぎしりに、かみ合わせが関係することはあります。
しかし、原因を「かみ合わせだけ」と決めつけるのは正確ではありません。
ブラキシズムは多因子性の問題です
ブラキシズム、つまり歯ぎしりや食いしばりは、さまざまな要因が絡み合って起こると考えられています。
ストレス。
睡眠。
生活習慣。
姿勢。
薬剤。
睡眠時無呼吸などの睡眠関連の問題。
そして、歯並びとかみ合わせ。
ひとつの原因だけで説明できるほど単純ではありません。
MSDマニュアルでも、歯の噛みしめや歯ぎしりは、精神的ストレスや睡眠に関連するストレスによって起こることがあり、噛み合わせの問題なども関係し得ると説明されています。
安易に歯を削る前に、状態を整理することが大切です
「かみ合わせが悪いから削りましょう」
これだけで話を進めるのは、かなり慎重であるべきです。
歯は一度削ると、基本的には元に戻せません。
だからこそ、食いしばりや歯ぎしりの診療では、いきなり歯を削るのではなく、まず何が起きているのかを整理することが大切です。
歯がすり減っているのか。
詰め物に負担がかかっているのか。
顎の筋肉が張っているのか。
日中のTCHが強いのか。
睡眠中のブラキシズムが疑われるのか。
そこを確認せずに、かみ合わせだけを犯人にするのは少し乱暴です。
ミステリーで言えば、まだ現場検証もしていないのに犯人を決めつけるようなものです。
かみ合わせは「原因」ではなく「負担のかかり方」として見ることも大切です
かみ合わせは、もちろん重要です。
ただし、食いしばりの原因そのものというより、力がどこにどうかかっているかを見るための要素として考える必要があります。
同じように食いしばっていても、特定の歯に強く当たっている人と、全体でバランスよく当たっている人では、トラブルの出方が変わることがあります。
だからこそ、青山通り歯科では、歯だけでなく、筋肉や生活背景も含めて見ていきます。
マウスピース・ナイトガードでできること、できないこと
マウスピースやナイトガードは、歯ぎしりや食いしばりによる力から歯を守るために使われることがあります。
ただし、歯ぎしりそのものを完全に止める装置ではありません。
マウスピースは歯ぎしりを完全に止める装置ではありません
マウスピースを入れれば、歯ぎしりや食いしばりが完全になくなる。
そう考えている方もいるかもしれません。
しかし、マウスピースの主な役割は、歯ぎしりをゼロにすることではありません。
歯や詰め物、被せ物を、過剰な力から守ることです。
MSDマニュアルでも、睡眠中には上下の歯の間にはめ込む口腔内装置、つまりナイトガードを使用でき、歯が擦り合わされることを防ぐと説明されています。
歯や詰め物・被せ物を守る目的で使います
食いしばりや歯ぎしりが強い方では、歯そのものだけでなく、詰め物や被せ物にも大きな力がかかります。
マウスピースは、その力を受け止めるクッションやバンパーのような役割をします。
もちろん、すべての方に必要というわけではありません。
歯の状態、かみ合わせ、顎の症状、生活習慣などを確認した上で、必要性を判断します。
保険適用のマウスピースと、スポーツ用などの特殊なマウスピース
歯ぎしりや食いしばりに対する一般的なマウスピースは、保険適用で作成できる場合があります。
自己負担額は条件によって変わりますが、目安としては3割負担で4,000円前後になることがあります。
一方で、スポーツ用マウスピースなど、目的や設計が特殊なものは保険外負担になる場合があります。
費用は症状、設計、保険適用の可否によって変わるため、詳しくは診察時に確認してください。
青山通り歯科では、歯だけでなく頭頚部の筋肉まで確認します
青山通り歯科では、食いしばりや歯ぎしりを「歯だけの問題」として見ていません。
歯の状態に加えて、顎まわりや頭頚部の筋肉の状態も確認し、噛む力がどこに負担をかけているのかを総合的に見ていきます。
咬筋・側頭筋・首まわりの緊張も確認します
食いしばりの影響は、歯だけに出るわけではありません。
頬の筋肉である咬筋。
こめかみ周辺の側頭筋。
首まわりの筋肉。
こうした筋肉に張りや痛みが出ていることがあります。
一般的な歯科検診では、虫歯、歯周病、詰め物、被せ物を中心に確認することが多いです。
もちろん、それも大切です。
ただ、食いしばりやかみ合わせが関係する症状では、歯だけを見ても全体像が見えないことがあります。
歯のすり減りと筋肉の緊張をあわせて見ます
たとえば、奥歯がすり減っている。
詰め物が何度も取れる。
こめかみが重い。
朝起きると顎がだるい。
夕方になると肩や首がつらい。
これらは別々の症状に見えて、実は同じ「噛む力」の問題としてつながっていることがあります。
青山通り歯科では、歯のすり減りや補綴物の状態だけでなく、咬筋や側頭筋、首まわりの状態も確認しながら、症状の背景を整理します。
「歯が悪い」のか。
「噛む力が強すぎる」のか。
「仕事中の癖が歯や顎に出ている」のか。
そこを一緒に見ていくことが大切です。
デジタル治療と技工所連携を活かして相談できます
青山通り歯科では、デジタル治療を5年以上前から導入しており、デジタルに強い技工所とも連携しています。
マウスピースや被せ物を考えるときにも、単に「形を作る」だけでなく、噛む力のかかり方、補綴物の設計、歯の状態を含めて考えることが大切です。
特に、詰め物や被せ物が何度も取れる方、セラミックが割れた経験がある方、奥歯に違和感が続く方は、単なる虫歯治療ではなく、力のコントロールまで含めて考える必要があります。
赤坂見附で働く方のためのセルフチェック
食いしばりやTCHは、自分では気づきにくいことがあります。
まずは、仕事中に上下の歯が触れていないか確認してみてください。
今、上下の歯は触れていませんか?
この記事を読んでいる今、上下の歯は触れていますか?
もし触れているなら、いったん離してみてください。
唇は軽く閉じたまま、上下の歯だけを少し離す。
この状態が、本来のリラックスした位置に近いです。
神奈川県歯科医師会も、TCHへの対応として、唇を閉じて歯を離すことを意識する方法を紹介しています。パソコンやテレビの隅に「上下の歯を合わせない」といった目印を置く方法にも触れています。
こんな症状が続いていませんか?
次のような症状がある方は、食いしばりやTCHが関係している可能性があります。
・夕方になると肩こりがつらい
・こめかみが重い
・頭痛が出やすい
・目の奥が疲れる
・朝起きると顎がだるい
・奥歯が疲れる
・噛むと違和感がある
・冷たいものがしみる
・詰め物や被せ物がよく取れる
・歯ぎしりを指摘されたことがある
・仕事中、気づくと上下の歯が触れている
もちろん、これらの症状がすべて食いしばりによるものとは限りません。
ただ、何度も繰り返す場合は、歯科で一度確認してもよいサインです。
仕事中にできる「歯を離す」意識
TCH対策の第一歩は、とてもシンプルです。
歯を離す。
これだけです。
ただし、これが意外と難しい。
なぜなら、TCHは無意識の癖だからです。
おすすめは、パソコンの画面の端やデスクまわりに付箋やメモを置いておくことです。
「歯を離す」
「奥歯チェック」
「舌は上、歯は離す」
「肩と顎の力を抜く」
少しダサいくらいでいいです。
オシャレな付箋より、ショッキングピンクにするなど目に入ることの方が大事です。
よくある質問
Q. 食いしばりで肩こりや頭痛が起こることはありますか?
食いしばりが肩こりや頭痛の一因になることはあります。
奥歯を噛みしめると、咬筋や側頭筋などの筋肉が緊張し、その影響が首や肩、こめかみ周辺に広がることがあります。
ただし、肩こりや頭痛は、姿勢、眼精疲労、睡眠不足、ストレスなども関係します。
そのため、食いしばりだけが原因と断定することはできません。
Q. 安静時に上下の歯は触れていてもよいですか?
一般的には、安静時の上下の歯は接触せず、1〜3mm程度離れているとされています。
何もしていないときに上下の歯が触れ続けている場合、TCH、つまり歯列接触癖の可能性があります。
Q. マウスピースで歯ぎしりは治りますか?
マウスピースは、歯ぎしりそのものを完全に止める装置ではありません。
主な目的は、歯や詰め物・被せ物を過剰な力から守ることです。
歯ぎしりや食いしばりの状態によっては、ナイトガードやマウスピースが有効な場合がありますが、必要性は診察して判断します。
Q. かみ合わせを治せば、食いしばりは改善しますか?
かみ合わせが関係するケースはあります。
しかし、食いしばりや歯ぎしりの原因を「かみ合わせだけ」と決めつけるのは正確ではありません。
ストレス、睡眠、姿勢、生活習慣、日中の癖など、複数の要因を含めて考える必要があります。
Q. マウスピースの費用はいくらくらいですか?
歯ぎしりや食いしばりに対する一般的なマウスピースは、保険適用で作成できる場合があります。
3割負担の場合、目安として4,000円前後になることがあります。
ただし、スポーツ用マウスピースなど、特殊な目的や設計のものは保険外負担になる場合があります。
詳しい費用は、お口の状態や目的を確認した上でご案内します。
まとめ|夕方の肩こり・頭痛は“歯の残業”のサインかもしれません
夕方になると肩こりや頭痛がつらい。
こめかみが重い。
目の奥が疲れる。
奥歯がだるい。
その不調は、肩や頭だけの問題ではなく、仕事中の食いしばりやTCHが関係しているかもしれません。
本来、上下の歯はほとんどの時間、離れているのが自然です。
安静時には1〜3mm程度のすき間があり、歯が接触するのは主に食事や飲み込むときです。
それなのに、パソコン作業中、会議中、メール返信中に、何時間も奥歯が触れ続けているとしたら。
それは歯や顎にとって、休憩なしで働き続ける**“歯の残業”**かもしれません。
青山通り歯科では、食いしばり・歯ぎしり・かみ合わせを、歯だけの問題として見ていません。
歯のすり減り、詰め物・被せ物の状態、顎のだるさに加えて、咬筋、側頭筋、首まわりなど頭頚部の筋肉も確認し、噛む力がどこに負担をかけているのかを総合的に見ていきます。
食いしばり・歯ぎしり・かみ合わせが気になる方は、赤坂見附の青山通り歯科へご相談ください。
文責:青山通り歯科 院長 矢島昇悟
青山通り歯科 院長
2008年に日本歯科大学を卒業後、数々の臨床経験を積み、現在は赤坂見附の「青山通り歯科」院長として患者様に寄り添う治療を提供しています。最新のデジタル技術を活用し、審美歯科から予防歯科まで幅広い診療を行うことで、多くの患者様の信頼を得ています。
また、ウェディングや建築、アーティストのポートレート撮影を中心とするプロカメラマンとしても活動しています。
→詳細はこちら
参考文献・参考情報
公益社団法人 神奈川県歯科医師会「歯のかみしめおよび歯列接触癖(TCH)について」
安静時の歯列間の隙間、TCHの定義、弱い接触でも長時間続くと負担になること、パソコン・スマホ使用時に起こりやすいことなどを参考にしています。
MSDマニュアル家庭版「歯ぎしり(ブラキシズム)」
ブラキシズムの定義、睡眠時・覚醒時に起こること、歯の摩耗・損傷、頭痛や首・顎の痛み、ナイトガードの使用について参考にしています。
MSDマニュアル家庭版「顎関節疾患」
顎関節周囲の筋筋膜性疼痛、頭痛や頭頚部の痛み、歯の噛みしめや歯ぎしりとの関連について参考にしています。

