~接触感染と手洗いについて~ 新型コロナウイルス感染対策について正しい知識を! その2
(4/10:内容を一部更新)
おはようございます。赤坂の青山通り歯科、院長の矢島です。
先日、「新型コロナウイルス感染対策について正しい知識を!」という事で、感染予防とコロナの基礎知識についての記事を書かせて頂いたのですが、「ウイルスと手洗いについて、もう少し詳しい話が聞きたい。」といった声をちょこちょこ耳にしたので、改めて接触感染について詳しく書きます。
コロナウイルス(COVID-19)の主な感染経路には「飛沫感染」と「接触感染」があるとお伝えさせて頂きました。(現段階では空気感染について否定的な見解も出ていますが、3m前後の距離は空気中を漂う事が出来るという研究結果も出ています。)
(首相官邸HPより)
目次
・接触感染?
・ウイルスの生存期間
・触ったらもうOUT?
・なにに気をつけたらいいの?
・これにも注意!
・手の消毒について
・消毒用アルコールについて
・ひとりひとりの小さな協力を!
記事一覧
1. ~コロナウイルスの基本情報~
2. ~接触感染と手洗いについて~
3. ~医療機関としての取り組み~
4. ~正しい情報の見つけ方とデマ対策~
5. ~自粛と医療現場の実際~
「接触感染」とは、感染者から出たウイルスを含む唾液や体液に触る事によって起こる感染の方法で、その体液に直接触れる事でも、物を介して間接的に触れる事でも起こります。
「間接的に」というのは、例えば咳やくしゃみを押さえた手で電車の吊り革やドアノブを触る事で、そこにウイルスが付着します。そうすると、その後につり革やドアノブを触った第三者の手にウイルスが付着する事になり、その第三者がウイルスに感染する可能性がグン!と高まってしまうんです。
咳やくしゃみをする際は、手で口を押さえないようにしましょう。
ちなみに、なにも押さえるものが無かった場合、くしゃみや咳によって唾液は時速300kmで2mくらい飛びます。速さだけはF1か新幹線並です。
やっぱりマスクがあるのがベストですね。
現在、ウイルスの物体表面上での生存期間は、米疾病対策センター(CDC)とカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)およびプリンストン大学(Princeton University)の研究チームの発表では
・空気中で3時間
・布、銅や木材で3時間
・ボール紙では24時間
・プラスチックやステンレスの表面では 72時間
と言われています。ドアノブや手すりでは2日間は生き残ると考えたほうが良さそうですね。
では、手にウイルスが付着する事で、その人はウイルスに感染してしまうんでしょうか?
答えはNo!
ウイルスは口や目から体の中に侵入します。つまり、ウイルスが付着した手で目をこすったり、物を食べたりする事で初めて感染を起こします。花粉症の季節は辛いですね…。
(先日の屋形船集団感染についても、同じ皿の食べ物や鍋物を箸で触ったり、飲み物のグラスを触ったり、カラオケでマイクを共有したりした事が、感染経路につながったと考えられています。)
つまり、万が一、自分の手にウイルスがついてしまったとしても、その手を消毒出来れば体の中に入るリスクはなくなります。
つまり、なにに気をつけたらいいのか?と言うと、
・ウイルスがつく可能性があるものを触らない
・ウイルスがついた手で目や口を触らない
とにかく、この2つです。
ウイルスがつく可能性が高いものは「不特定多数の人が触るもの」です。例えば、お店の売り物・飲食店・公衆トイレ・蛇口・ドアノブ・ATM・お金・公共交通機関…もう、これだけでも「触るな」と言われても困ってしまいます。
飛び道具的な物で言ったら…「海外からの通販」なんて経過の特定のしようがないですよね。
会社のマウスやキーボードなども、自分以外の人が触る可能性があれば十分な感染経路として成立してしまいます。
そして、意外と見落としがちなのが、「自分がよく触るもの」です。
仮に、マメに手を消毒していたとしても、スマホなどの身の回りのものに一回ウイルスがついてしまえば、消毒した手に改めてウイルスがついてしまう可能性があります。銀行に1回お金を預けるみたいなものです。
(現代人のスマホはトイレの便座以上に菌やウイルスがついているなんて話もあります。)
自分もスマホは時々アルコールで拭いています。
手についたウイルスは体には入る前にやっつけてしまえば怖がる必要はありません。
前回もお伝えしましたが、手の消毒には「正しい手洗い」と「アルコール」です。
手洗いについては「首相官邸HP」で非常に分かりやすく説明して下さっています。「2.一人ひとりができる新型コロナウイルス感染症対策は?」という項目でイラスト入りで解説しているので、一度ご覧になってみて下さい。
また、こちらは海外のサイトですが、黒の絵の具を石鹸に見立てて「このような洗い方をしないと、手の全部が洗えません」という事をわかりやすく実践してくれています。
理解さえ出来れば、そんなに難しいテクニックではありません。これが出来れば、どちらにせよ手洗いに20秒くらいはかかると思います。
さて、コロナウイルスが流行りだしてから、アメリカでは「なぜか今年は国内のインフルエンザ患者が少ないぞ!」なんて話があったりもします。インフルエンザも主に接触感染なので、マスク・手洗いの習慣がついたことで、結果としてインフルエンザの予防にもつながったんでしょうね。
アルコールは、濃度が70%以上の消毒用アルコールが有効とされています。
当院でも受付に常備していますので、ご自由にお使い下さい。
(消毒用アルコールは非常に高騰していますが、現在、アルコール洗浄タイプハンドジェルは比較的安価で手に入るので、当院でもスタッフに配りました。)
ちなみに、ビールのアルコール濃度は5%程度です。
居酒屋で「ウイルスをアルコールで消毒だー!」なんて叫び声が聞こえて来そうですが、5%では楽しくなるだけです。むしろ、さっきトイレ言った後にちゃんと手洗いました?ビール・日本酒は手酌推奨ですよ!自分の箸で他人に「あーん」なんて絶対ダメです!
※アルコールの話題ついでに、最近はこんなものも出ているんですね。
「手指消毒などの代替品として」と記載があります。一応66%なので、消毒用アルコールとして機能するものに仕上がっているそうです。勿論、飲めます。(手指消毒で使うと多少の泡盛臭が残りました。)
また長々と書きましたが、「結構、気を遣わなきゃなんないね…」という印象の方も多かったと思います。
そうなんです、これまで手洗いの習慣だったりなんだったりが十分で無かった方々には、ちょっと面倒な事も多いんです。(自分も、今まで以上に手洗いには気を遣うようになりました。)
ですが、ひとりひとりが気を遣う事によって、「ねずみ算式に拡大する可能性がある」コロナウイルスの感染経路をひとつ減らす事が出来るんです。お役所の対策も大切ですが、個人個人が「もらわない」「他人にうつさない」という意識を持つことが大切なんだと思っています。
僕ら医療従事者は、テレワーク・時差出勤などと言った「感染リスク低減のために働き方を変える」という事が難しい職業でもあります。だからこそ、これまで以上に「正しい情報」を集め、「自分が感染する可能性」と真摯に向き合い、「感染を防ぐための最大限の努力」を怠ってはならないと常に感じながら、スタッフ一同、徹底した消毒体制で今日も診療にあたっています。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
さぁ、今日もこれから診療だ。
合言葉は「正しく知る、正しく恐れる」!
青山通り歯科 矢島
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1. ~コロナウイルスの基本情報~
2. ~接触感染と手洗いについて~
3. ~医療機関としての取り組み~
4. ~正しい情報の見つけ方とデマ対策~
5. ~自粛と医療現場の実際~